ヒロに会った

今日の朝、またヒロからのメールがなかった。
メールきたりこなかったり、何なんだろね。

『おはよ。みるに頼みあるねん』

おはよ、だけど・・・ヒロからのメールがあったのは、あたしのお昼休みの時間。
頼みって言われて、すぐまたお金のことだと思った。

『まだお金返してなくて言いにくいんやけど、2万か3万貸してほしい。
　来週の火曜日にお金入るから、必ず返すしお願い(；_；)』

給料日でもないのに、何で火曜日？って思った。
連れに貸してるお金があるらしくて。
どうしてもいるから返してって言ったら、火曜日まで待ってって言われたって。

前のお金もまだ返してもらってない。
パソの修理代もいるし、積み重なるとあたしだって余裕ない。
でも・・・2万だけ、自分の中でこれで最後って思って了解した。

ヒロがどうしてそんなにお金ないって言うのか、ホントのことがわかんない。
朝にメールなくて、いつもなら寝てるはずのお昼にメールがきて。
もしかしたら、やめたって言ってたスロに行ってた？とかも思った。

あたしはお金持ってる人じゃないし、ヒロをいっぱい助けてあげれない。
ホントはヒロが助かるなぁって思うには、ぜんぜん足りないかもしれない。
でもしたくても、それ以上できない・・・ごめんね。
あたしはヒロにそう返事した。

『そんなん気にしないで。みるが謝る事ちゃうよ！だいぶ助けてもらってるよ(；_；)』
『ほんと助かってるから気にしないで(；_；) 余計辛くなる』

それはヒロのホントの気持ちですか？
あたしにはやっぱりわかんない。
そう思うから、いっぱい助けてあげれないの。
好きだから助けてあげたいって気持ちはあるょ。
でもヒロは、あたしにホントのヒロを見せてくれないから。。。

あたしは仕事で、ヒロの住む県に行く。
ヒロはその反対で、あたしの住む県に来る。
夜勤の出勤時間に合わせて、最初に会った場所で待ち合わせした。
6時半の予定だったけど、ヒロが遅れるって。
結局、ヒロが着いたのは7時・・・もう余裕ない(泣)
車のエンジンも止めず、ヒロは車を降りて。
あたしの車にも乗らず、窓越しに話す。

『ごめん・・・起きれんかった』

長くても4時間ぐらいしか寝てないもんね。
ヒロはすっごい寝起きみたいな顔してた。
時間も時間だし、遅れてるからすぐに仕事行くわって言われちゃって。

『来週火曜日にはお金戻ってくるから、それ以降日が合う時に。
　ごめんな・・・必ず返すから』

そう言って、ヒロはあたしの頭を撫でた。
ヒロの香水の匂いがした。

待ち合わせ場所から出る時も。
ヒロが曲がる所で、隣同士で信号待ちになった時も。
ちゃんと手を振ってくれた。
ほんの少しだけど、ヒロの顔が見れて嬉しかった。

『ほんとうにありがとう。ごめんね迷惑かけて(；_；)』

帰る途中、ヒロからメールがきた。
お願い・・・あたしに本当のヒロを教えて・・・

ヒロのその優しい表情も声も。
眠くなったらあったかくなる手も。
おいでって広げてくれる腕も。
ホントは全部あたしだけのモノであってほしいの。

でもそれが無理なら、ヒロの全てが知りたい。
あたしの推測でない、本当のことが知りたい。